人革速報

新人間革命での池田先生のご指導に学ぶブログです。

新人間革命 雌伏(56)|2017年5月30日

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 四国の同志が、「さんふらわあ7」号で神奈川文化会館を訪れた約一カ月後の二月十七日のことであった。鹿児島県奄美大島地域本部(後の奄美光城県)の女子部員八十六人が、山本伸一がいた東京・立川文化会館を訪問したのである。
 ――一年前の二月一日、伸一は、九州研修道場で行われた九州記念幹部会に出席した。「七つの鐘」の総仕上げとなるインド訪問を控えての幹部会であった。
 九州各県から集った参加者のなかに、奄美の女子部の代表もいた。伸一は、研修道場で皆と記念のカメラに納まり、奄美のメンバーに語りかけた。
 「何か要望があったら、あとで女子部長の方に言ってください。どんなことでも結構です。遠慮などする必要はありません。私は、可能な限り、皆さんの要望に応えたいんです。離島で苦労に苦労を重ね、奮闘してきた、大事な宝の皆さんだもの」
 奄美の代表が、女子部長に希望を伝えた。
 「創価女子会館で、奄美大島地域本部の女子部の勤行会を行わせてください!」
 東京・信濃町に、女子部の会館として創価女子会館が開館したのは、一九七七年(昭和五十二年)十二月であった。以来、全国の女子部員が、訪問を望んでいたのである。
 伸一は、その要請を快諾した。
 彼女たちは誓い合った。
 「それぞれが各地域で、広布拡大の大波を起こして、広宣流布の師匠である山本先生のもとに集いましょう!」
 宗門僧による卑劣な学会攻撃も続いていた。そのなかでメンバーは、創価の正義の旗を掲げ、情熱をたぎらせて、弘教に走った。しかし、九州研修道場での出会いから三カ月を経ずして、伸一が会長を辞任したのだ。
 突然、太陽が雲に覆い隠された思いであった。でも、負けなかった。
 「こうした時だから、弘教の大勝利をもって、先生に安心していただきましょう!」
 逆境は、人間の真価を問う試金石となる。

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新人間革命 雌伏(55)|2017年5月29日

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 ボーッと、「さんふらわあ7」号の出航を告げる汽笛が夜の海に響いた。
 四国の同志は、甲板に出ていた。船は、静かに離岸し始めた。
 見送りに埠頭に集った神奈川の同志が、「さようなら!」「また来てください!」と口々に叫びながら手を振っている。岸辺には、窓明かりが光る神奈川文化会館がそびえ、横浜の街の灯が広がっていた。次の瞬間、文化会館の明かりが一斉に消えた。上層階の窓に、幾つもの小さな光が揺れている。
 船舶電話に連絡が入った。
 「今、山本先生と奥様が、最上階で懐中電灯を振って、見送ってくださっています。船から見えますか?」
 直ちに船内放送でメンバーに伝えられた。
 皆、甲板の上から、最上階の光に向かって盛んに手を振り、声を限りに叫んだ。
 「先生! 四国は頑張ります!」
 「ご安心ください!」
 「地域広布の先駆けとなります!」
 皆、目を潤ませていた。
 伸一たちは、船が見えなくなるまで、いつまでも、いつまでも懐中電灯を振り続けた。
 遠ざかる船上で叫ぶメンバーの声が、伸一たちに聞こえることはない。しかし、彼も峯子も、わが同志の心の声を聴いていた。また、彼らの送る光は、四国のメンバーの胸に、消えることのない、勇気と希望の灯火となって映し出されていったのである。
 日蓮大聖人は、「道のとを(遠)きに心ざしのあらわるるにや」(御書一二二三ページ)と仰せである。求道の志ある人には、成長がある。歓喜があり、感謝がある。それは、新しき前進の大原動力となろう。
 伸一は、この夜も、船が揺れず、無事故で皆が帰れるように唱題した。さらに、夜更けてから船と連絡を取り、再度、「来られなかった方々に、くれぐれもよろしく」と伝えた。
 翌朝も、安否を確認する連絡を入れた。
 彼にとっては、弟子たちこそが最高の宝であり、未来を照らし出す太陽であった。

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新人間革命 雌伏(54)|2017年5月27日

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 山本伸一は、「熱原の三烈士」「さくら」と、ピアノを弾いていった。“凜々しき勇気の信仰者に育て!”“幸の桜花咲く人生の春を!”との祈りを込めた演奏であった。
 彼は思った。
 “今、この時に、求道の炎を燃やし、波浪を越えて、横浜の地までやって来た四国の同志の果敢な行動は、広宣流布の歴史に燦然と輝き、永遠に語り継がれるにちがいない。
 大事なことは、学会が苦境に立った時に、いかに行動し、新しい突破口を開くかだ”
 伸一は、「最後に“大楠公”を弾きます。また、お会いしましょう」と語り、さらに、ピアノに向かった。
 皆、調べに耳を傾け、“大楠公”に歌われた楠木正成・正行の父子に創価の師弟を重ねながら、心に誓っていた。
 “私たちは、断じて学会精神を継承していきます。いかなる事態になろうが、広宣流布の道を開き抜いていきます。四国は負けません。創価の勝利の旗を翻してまいります!”
 求道の思い熱き同志の目に、涙が光った。
 そして、全員で四国創価学会の万歳を三唱し、大拍手が響くなか、会食懇談会は終了した。伸一は言った。
 「ありがとう! お元気で! 今日は、皆さんの船をお見送りいたします。
 どうか、留守を預かるご家族の皆さん、それぞれの組織の皆さんに、くれぐれもよろしくお伝えください。また、青年部は、お父さん、お母さんを大切に!」
 四国のメンバーが神奈川文化会館を出た時には、すっかり夜の帷に包まれていた。
 埠頭には、二百人余りの神奈川のメンバーが集まり、乗船する四国の同志を見送った。
 音楽隊が四国の歌「我等の天地」を演奏するなか、船からは色とりどりのテープが投げられた。次いで、神奈川のメンバーが、演奏に合わせて県歌「ああ陽は昇る」を熱唱したあと、皆で一緒に「広布に走れ」「威風堂々の歌」を大合唱した。創価の法友の心は一つにとけ合い、歌声が星空に轟いた。

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新人間革命 雌伏(53)|2017年5月26日

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 山本伸一は参加者に近況などを尋ね、ちょっとした話題を契機に、信心やリーダーの在り方に触れ、指導、激励していった。皆、その自在な語らいを望んでいたといってよい。
 話は、同志に接する幹部の姿勢に及んだ。
 「幹部の皆さんは、会員の方々の意思をどこまでも尊重し、相手を傷つけるようなことがないように、心していってください。
 また、さまざまな方がいることでしょう。全員が、素直に話を聞いてくれるわけではありません。リーダーは苦労も多いが、大きな心で皆を包み、幸せになるように全力を注ぎ、忍耐強く励ましていくなかに仏道修行があるんです。その苦労が、自身の功徳、福運となっていきます。
 草創期に歌った学会歌の『日本男子の歌』に、『海をも容るる 慈悲を持ち』とあるじゃないですか。そう歌いながら、実践しないのは、問題ですよ」
 笑いが広がった。
 「では、勤行しましょう!」
 伸一の導師で勤行が始まった。広宣流布を誓願する師弟の読経・唱題の声は、力強い躍動の音律となって響いていった。
 午後三時半からは、会食懇談会が開始された。伸一は、八階の壮年・婦人の会場に出席し、同じテーブルに着いたメンバーの報告に耳を傾けた。やがて五階にいた青年たちも合流し、アトラクションが始まった。
 「南国土佐を後にして」の合唱や、阿波踊りなどが次々と披露されていった。伸一は、「楽しくやろうよ」と声をかけ、一つ一つの演技に惜しみない拍手を送るのであった。
 歌や踊りが一段落すると、彼は言った。
 「では、私がピアノを弾きます」
 最初に「厚田村」の調べが流れた。
 今こそ、恩師・戸田城聖のごとく、北海の吹雪に一人立ち向かう勇気と覇気とをもって、雄々しく前進してほしい――そう願いながら、鍵盤に指を走らせた。
 試練は人を鍛える。なれば、広布を阻む猛吹雪に敢然と挑みゆく人は最強の勇者となる。

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新人間革命 雌伏(52)|2017年5月25日

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 山本伸一は、皆と一緒に勤行し、四国から来たメンバーの帰途の無事と、全参加者の健康と一家の繁栄を祈念しようと交流幹部会の会場に姿を現した。幾つもの懐かしい顔が、彼の目に飛び込んできた。
 伸一は、何人かの同志に、次々と声をかけていった。そして、四国の壮年幹部らに語り始めた。
 「幹部は、決して威張ったり、人を叱ったりしてはいけないよ。どこまでも、仏子として敬い、大切に接していくことです。
 戸田先生は、弟子を叱られることがあったが、そこには深い意味がありました。
 第一に、広宣流布のために弟子を訓練し、自分と同じ境涯に高め、一切を託そうとされる場合です。その人が担っていく責任が重いだけに、それはそれは、厳しく叱咤されることもあった。
 第二に、魔に信心を妨げられている人を、どうしても立ち上がらせたいという時に、その魔を打ち破るために、叱られた。
 人間には、直情径行であるために皆と調和できない人や、自滅的な考えに陥ってしまう人、困難を避けて通ろうとする人、いざとなると責任転嫁をしたり、ごまかそうとしたりする人もいる。そうした傾向性や、その背後に潜む弱さ、ずるさ、臆病が一凶となり、魔となって、自身の信心の成長を妨げ、さらに幸福への道を誤らせてしまう。ゆえに戸田先生は、その一凶を自覚させ、断ち切るために、叱られることがありました。
 第三に、多くの人びとに迷惑をかけ、広宣流布の団結を乱している時などには、本人のため、皆のために、それをやめさせようとして叱ることがありました。
 つまり、いかなる場合も戸田先生の一念の奥底にあるのは、大慈大悲でした。それもわからず、言動の一端を真似て、同志を叱るようなことがあっては絶対にならないし、どんな幹部にもそんな権利はありません。誤りを正さなければならない場合でも、諄々と話していけばよいことです」

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新人間革命 雌伏(51)|2017年5月24日

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 午後一時半、神奈川文化会館三階の大広間は花のような笑顔で埋まった。四国・神奈川の交流幹部会が開催されたのである。
 神奈川を代表してあいさつに立った幹部は、深い感慨を込めて語った。
 「四国の同志の皆さん! ようこそ神奈川へおいでくださいました。
 私たちは、今回、四国の皆さんから、多くのことを教えていただきました。それは、皆が心を合わせて、師を求め、広宣流布の使命を果たそうとする異体同心の信心です。さらに、“今こそ、波浪を越えて大前進しよう。やろうじゃないか!”という心意気です」
 山本伸一の会長辞任から、はや九カ月がたとうとしていた。そのなかで、師と弟子とが引き離されてしまっていることの異常さを、神奈川の同志は、いや、全国、全世界の同志が感じていた。
 それだけに、自分たちから師のもとに集おうと声をあげた四国の友の、勇気と求道の一念に、神奈川のメンバーは、共感、感嘆したのである。
 次いで、四国の代表があいさつに立った。
 「横浜の街は、昨日、一面の雪であったと聞きましたが、本日は、暖かく、春を思わせる天候となり、山本先生をはじめ同志の祈りに守られていることを実感しております。
 これからも山本先生がいらっしゃる時に、この神奈川へ、四国の同志は次々にやってまいりますので、よろしくお願いいたします」
 また、理事長の森川一正は、四国のメンバーの奮闘をねぎらったあと、強く訴えた。
 「航海は、順風満帆の日ばかりとは限りません。大荒れの時もある。嵐が待ち受けているかもしれない。今、学会を取り巻く状況もそうです。ゆえに、私どもは『題目』と『団結』に徹して、希望の前進を開始したい。
 そして、今年は『地域の年』でありますから、わが地域に拡大・勝利の実証を打ち立てて、新時代の突破口を開いていこうではありませんか!」
 大事なことは、「行動」と「実証」である。

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新人間革命 雌伏(50)|2017年5月23日

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 四国のメンバーは、何グループかに分かれ、神奈川文化会館の館内や、会館の敷地内にある戸田平和記念館を見学した。同記念館は、前年の一九七九年(昭和五十四年)八月にオープンしており、通称「イギリス七番館」といわれていた、歴史ある赤レンガ造りの建物を、補修・改修したものである。
 第二代会長・戸田城聖が、五七年(同三十二年)九月八日、この横浜の地で、「原水爆禁止宣言」を発表したことから、その精神と意義をとどめるとともに、反戦・平和の資料を展示し、広く市民に公開するために誕生した記念館であった。
 館内では、戸田の「原水爆禁止宣言」の音声テープも聴くことができた。青年部が七三年(同四十八年)以来、取り組んできた反戦出版五十六巻や、その英訳本の『平和への叫び』も置かれていた。
 また、戦時下での国民生活や過酷な戦場での兵士の様子、広島・長崎の原爆投下や各地の空襲、沖縄戦、引き揚げ者の惨状などを伝える写真パネルや資料物品を展示。テープに録音した戦争体験者の証言を聴けるコーナーもあった。
 創価学会平和運動の歩みを伝える展示もあり、山本伸一の平和提言や世界の指導者、識者との友好対話も紹介されていた。
 四国の同志は、展示品を鑑賞し、テープを聴き、戦争の悲惨さを再確認しただけでなく、創価学会が世界平和の大潮流を巻き起こしていることを実感した。そして、平和建設への誓いを新たにしたのである。
 「ユネスコ憲章」は、平和のためには、人の心の中に“平和のとりで”を築かねばならないと訴えている。それには、欲望や憎悪などに翻弄されることのない生命を築く、人間革命が不可欠の要件となる。
 創価学会は、その“平和のとりで”を人間の心に築きながら、世界に友情の連帯を幾重にも広げてきた。
 仏法者の社会的使命は、立正安国すなわち社会の繁栄と人類の平和の実現にこそある。

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新人間革命 第16巻のあらすじ(各章要旨)

新・人間革命 第16巻の各章ごとのあらすじ(要旨)は以下のとおり。

入魂 あらすじ

この1年は広宣流布の未来にとって、極めて重要な節目となる年であった。

いよいよ10月には、日蓮大聖人が後世の弟子に建立を託された「本門の戒壇」となる正本堂が落成し、世界広布が新展開を迎えるのだ。山本伸一は、その新しき建設のために、全同志の胸に、永遠に崩れぬ信心の柱を打ち立てねばならないと決めていた。

元日の新年勤行会、2日の大学会総会と、伸一の「入魂」の激励が開始された。「地域の年」と謳われたこの年、伸一は最前線組織のブロックを強化し、信心の歓喜をみなぎらせていこうと決意し、ブロック長、ブロック担当員(現在は白ゆり長)との記念撮影等に一段と力を注いだ。

東京・新宿区の記念撮影では、学会本部を擁する“本陣”の使命を語り、祖国復帰を5月に控えた沖縄の地では、わずか3泊4日の滞在で、ブロック長など第一線組織で活躍する主立ったメンバー全員を励ます決心で、友の中に飛び込んで行く。

その疾走は、伸一が初代総ブロック長を務めた葛飾や恩師との思い出深き千代田、さらに関東、関西などへと続いた。

会う人ごとに希望の光を! 訪れた地域ごとに誇りと力を!-- 伸一の戦いに呼応し、弟子たちは雄々しく立ち上がっていったのである。

対話 あらすじ

4月、伸一はフランス、イギリス、アメリカ歴訪へ旅立った。今回の最大の目的は、20世紀を代表する英国の歴史学者トインビー博士との対談である。交流の発端は、1969年(昭和44年)秋、博士から伸一に対談を要請する手紙が届いたことだった。東西冷戦など、人類の抱える諸問題を解決する方途を求め、博士は学会に注目していたのだ。

その手紙で希望されていた「麗らかな春」-- 5月5日に、伸一はロンドンのトインビー博士の自宅を訪ねた。83歳の博士は、44歳の伸一に語った。「21世紀のために語り継ぎましょう! 私はベストを尽くします!」

世代も文化的な背景も異なるが、人間の根源を探り、人類の未来を憂える二人の心は共鳴した。博士の主張も、伸一の語る仏法の生命論と、深く響き合っていった。博士は訴えた。人類が直面する脅威を克服するには、宗教の啓発による人間の「心の変革」が不可欠だと。まさに「人間革命」といってよい。

人生論、歴史論、政治論等々、談論は尽きず、博士の強い希望で、73年(同48年)5月、伸一は再びロンドンへ。2年越し40時間に及ぶ、不滅の対話となったのである。対談の最後に、博士は伸一に、対話こそ人類を結ぶものであり、“ロシア人、米国人、中国人とも対話を、世界に対話の旋風を”と望んだ。以来、伸一は、世界の知性や指導者をはじめ、「世界との対話」を広げていく。人類の心と心を結ぶために --。

羽ばたき あらすじ

帰国した伸一に休息はなかった。7月には東北へ。折からの豪雨で、訪問予定の秋田をはじめ、全国各地に大きな被害が出ていた。宮城入りした伸一は、秋田での記念撮影会を中止し、迅速に被災地域への激励の手を打つ一方、山形を訪問。さらに秋田に入って、メンバーを励ます。また伸一は、全国の被災地に救援態勢を整えるよう指示。各地に救援本部が置かれ、広島や島根をはじめ、救援隊の奮闘に、学会への感謝と信頼が広がっていった。

10月12日-- 着工から4年、世界中の同志が待ちに待った正本堂が遂に完成。羽ばたきゆく鶴の姿を思わせる大殿堂で、晴れやかに式典が挙行された。「慶讃の辞」を読む伸一は、感慨無量だった。正本堂は、日達法主によって実質的な「本門の戒壇」と位置づけられていた。だからこそ、同志は、正本堂建立の供養に勇んで参加した。

また正本堂は、権威で飾られた建築と異なり、民衆自身が人類の平和と繁栄を祈る、未聞の民衆立の大殿堂である。さらに伸一の意向で、参詣者の安全と至便性を第一に考慮した、「人間主義の思想」に貫かれた画期的な宗教建築となったのである。

ところが、わずか26年後の1998年(平成10年)、67世の法主を名乗る日顕によって、正本堂は解体される。それは800万信徒の赤誠を踏みにじり、大聖人御遺命の「本門の戒壇」たるべき大殿堂を破壊する暴挙であった。しかし、御遺命の戒壇となる正本堂を建立した功徳・福運は、誰人も消すことはできない。学会は、宗門の暴虐の嵐を勝ち越え、人間主義の宗教として、21世紀の大空へ悠然と羽ばたく。

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新人間革命のあらすじ 第16巻は全3章

  1. 新人間革命 あらすじ 入魂の章
  2. 新人間革命 あらすじ 対話の章
  3. 新人間革命 あらすじ 羽ばたきの章

新人間革命 第15巻のあらすじ(各章要旨)

新・人間革命 第15巻の各章ごとのあらすじ(要旨)は以下のとおり。

蘇生 あらすじ

山本伸一は、1970年(昭和45年)5月の本部総会で、「公害問題」に言及。広宣流布とは、仏法の人間主義を根底とした社会の建設だと考える彼の、やむにやまれぬ発言であった。

イタイイタイ病水俣病等が深刻化するなか、彼は反公害闘争のペンをとり、仏法の“人間と環境”の共生の哲学を通して公害根絶を訴え、大きな反響を広げていく。

当時、水俣でも妙法の同志が自他共の宿命転換を願って、懸命に戦っていた。伸一は74年(同49年)1月、遂に水俣の友に会う。皆が人々の希望となり、郷土の蘇生の歴史をと、全精魂を注いで励ますのであった。

“妙法の大地に大文化運動を”と、「第三文明華展」などが多彩に行われた70年。伸一もまた、精神闘争即芸術の結晶として、「青年の譜」等の詩を次々に発表する。一方、作家・三島由紀夫の割腹死事件を巡って学生部員と語り、広布と民衆のために命を捧げる人生たれと念願した。

翌71年(同46年)2月には、伸一は北海道に飛び、初の“雪の文化祭”に出席。新しき庶民文化の祭典を実現した友を、心から讃えた。

創価大学 あらすじ

1971(昭和46)年4月、東京・八王子に創価大学が開学。牧口・戸田両会長の構想を受け継いだ伸一が、「人類の平和を守る要塞たれ」等の理念を掲げ、全生命を注いで建設した教育の城である。創立者の伸一は大学の自主性を尊重し、開学式にも入学式にも出席しなかったが、彼を慕う一期生たちは、何の伝統もないなか、次々にクラブを設立するなど、懸命に、奮闘していった。

当初、教員の一部に、伸一の来学を歓迎しない空気があった。しかし、ならば我々が創立者を呼ぼうと、学生が大学祭を開催し、遂に伸一の訪問が実現する。これ以後、伸一が大学行事に出席し、直接、学生と交流する流れがつくられる。

2年目の秋、理事会がほぼ決定した学費改定案を学生に諮ると、これは創立者が示した「学生参加の原則」を壊すものだと、学生たちは白紙撤回を要請。その真剣さに、理事会も同意する。その後、学生たちは協議を重ね、自主的に学費値上げを決議したのである。こうしたなか、伸一は「全員が創立者の精神で!」と語る。彼の期待を真剣に受け止めた学生たちは、理想的な学園共同体の実現へ、建設の労苦を背負っていく。

第3回入学式には、伸一が初めて出席し、“人類のため、無名の庶民の幸福のため”という創大開学の意義を講演。また、滝山祭の盆踊り大会に加わり、血マメを作りながら太鼓を叩くなど、学生のなかへ飛び込んで励ます伸一の姿は、人間教育の模範であった。大学の評価は卒業生で決まる。伸一は、大学に招待した各企業のトップ一人ひとりに自ら名刺を渡し、「学生を宜しく」とあいさつするなど、全力で学生を応援した。4春秋を経て、遂に迎えた第1回卒業式。伸一は共に大学建設に戦った一期生に、生涯、創大で結んだ魂の絆を忘れるなと激励するのであった。

開花 あらすじ

「大河の時代」を進む学会は、いよいよ、その仏法の哲理を現実社会のうえに開花させる時を迎えていた。伸一は、1971(昭和46)年6月、牧口初代会長の生誕100年に際し、この大河を開いた創価の源流の先師への感謝の思いを募らせる。2日後には、北海道へ飛び、激励行の合間に月の写真を撮影。彼の写真は、やがて「自然との対話」写真展に発展し、新たな民衆文化の波を起こすことになる。

伸一は、学会の発展が、そのまま地域と社会の繁栄につながると考え、地域との交流を図る取り組みを思索していた。その構想を具体化した、「鎌倉祭り」と、「三崎カーニバル」は、地域の興隆を願う学会員の真心が輝き、社会に開かれた信頼と友情の舞台となったのである。

同年の夏季講習会の最中、大型の台風の影響を受け、近くでキャンプを行っていたボーイスカウトの世界大会の運営本部から、避難させてほしいとの知らせが入った。伸一の陣頭指揮で万全の支援を推進。垣根のない人間と人間の交流がなされた。慈悲の光による社会貢献の時代が大きく開花していた。

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新人間革命のあらすじ 第15巻は全3章

  1. 新人間革命 あらすじ 蘇生の章
  2. 新人間革命 あらすじ 創価大学の章
  3. 新人間革命 あらすじ 開花の章

新人間革命 第14巻のあらすじ(各章要旨)

新・人間革命 第14巻の各章ごとのあらすじ(要旨)は以下のとおり。

智勇 あらすじ

1969年(昭和44年)5月3日の本部総会の席上、山本伸一は750万世帯の指標を示すとともに、創価大学に、「人間教育の最高学府たれ」等の三つのモットーを示した。また、過激化していく学生運動について「第三の道」を開いていくよう学生部員に提案する。伸一は、月刊誌に次々と筆を執り、暴力革命では真の社会改革はできないことを述べ、人間革命を根本とした無血革命こそ、社会の矛盾を乗り越える道であると強調。また、三権分立に教育権を加えた「四権分立」構想を提唱していく。

未来ある学生を守りたいと願う伸一は、夏季講習会の折、男子学生部が大学の自治を奪う「大学立法」に反対する抗議集会を行うと聞けば、自らデモの先頭にも立った。 その姿に、多くの学生部員が奮起。やがて彼らは、学生運動の「第三の道」を目指し、新学生同盟(新学同)を結成するのである。これは後の青年部の難民救援運動など、学会の平和運動の先駆的試みとなった。

使命 あらすじ

この年は、広布の緑野に、多彩な使命の花が、新たに咲き始めた年であった。まず、女子部の看護婦(現・看護師)メンバーによる白樺グループが結成。「生命の世紀」へ飛翔を開始した。さらに鼓笛隊は、アメリカでのパレードに参加し、数々の感動のドラマが生まれていった。

“新しい時代を担う人材を育成しよう”-- 伸一は、同志が使命に乱舞する時代をつくるために必死であった。

夏季講習会では、37カ国・地域から集った海外の友に、雨中、濡れながら渾身の激励を重ねた。そして、文芸部の結成式に臨んでは、文は生命であり、文は魂であり、また文は境涯であると語り、新しきルネサンス(文芸復興)の担い手が、陸続と育つことを願うのであった。

烈風 あらすじ

間断なき伸一の戦いは過酷を極め、体力も限界に達していた。師走。この年、7度目の関西訪問中、伸一は急性肺炎による高熱と咳に襲われる。だが、医師も危ぶむなか、和歌山に入り、病を押して学会歌の指揮をとる。その生命を賭しての激闘は、全同志を鼓舞し、偉大な民衆勝利の歴史を開く。

当時、学会は荒れ狂う烈風にさらされていた。折から浮上した“言論・出版問題”に事寄せ、ついには、国会まで巻き込んで学会と公明党への攻撃が沸騰するのである。その背景には、大躍進を続ける学会、そして公明党に危機感を抱いた、既成の宗教勢力政治勢力が結託し、迫害の構図が作られていたのである。

だが同志は烈風をはね返して、70年(同45年)1月、目標より早く、会員750万世帯を突破する。伸一もまた、体調の悪いなか、同志を励ますために、小説『人間革命』第6巻の執筆を再開する。第三代会長就任10周年となる5月3日が近づきつつあった。伸一は、広宣流布の流れが渓流から大河へと変わる今、新たな展望を示そうと決意する。

大河 あらすじ

1970年(同45年)5月3日の本部総会で、伸一は、広宣流布とは“流れそれ自体”であり、永遠の闘争であると強調。そして、広宣流布は“妙法の大地に展開する大文化運動”と位置づけた。そして、学会の組織形態について、これまでのタテ線 -- 紹介者と新入会者のつながりで構成された組織から、ヨコ線 -- 地域を基盤としたブロック組織へと移行することを提唱。それは、地域のなかに人間の連帯を作り上げるためであった。

伸一の眼は21世紀に注がれていた。ゆえに、未来の主役となる少年少女の育成に全力を傾けた。その翼の下から、人材グループ「未来会」の若人が力強く羽ばたくことになる。 同年9月、聖教新聞社の新社屋が落成。伸一は、日々、惰性を打ち破ることが、良い新聞をつくる最大の要件であると指導。1カ月半後の全国通信員大会では、“通信員と配達員こそ新聞の生命線”と訴え、“大河の時代”へ、着々と布石を重ねていったのである。

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新人間革命のあらすじ 第14巻は全4章

  1. 新人間革命 あらすじ 智勇の章
  2. 新人間革命 あらすじ 使命の章
  3. 新人間革命 あらすじ 烈風の章
  4. 新人間革命 あらすじ 大河の章