人革速報

新人間革命での池田先生のご指導に学ぶブログです。

新人間革命 雄飛(18)|2017年7月5日

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 山本伸一は、長崎文化会館から、報道各社合同の記者会見会場である長崎市内のホテルへと急いだ。
 記者会見では、第五次訪中で見聞した中国の様子や感想などについての質問を受けた。
 そのあと、訪中団メンバーと解団式を兼ねて会食懇談を行い、皆をねぎらった。
 彼は、訪中を振り返りながら語った。
 「私は、今回の中国訪問によって、新時代の世界平和への幕が開かれたと思っています。そして、二十一世紀を迎えるこれからの二十年間は、民間交流、教育・文化交流を推進し、世界を結ぶ平和の潮流をつくるうえで、極めて重要な時期であると感じています。
 この間に、中国は大発展を遂げていくだろうし、また、世界は、激動、激変していくでしょう。それだけに、仏法の平和思想、人間主義の哲学を、広く世界に発信していかなくてはならない。したがって、仏法を深く掘り下げ、生命尊厳の法理を、社会に、世界にと展開していく教学運動も大事になります。
 二十一世紀の平和を築くうえで、今こそ、すべての面で、一時の猶予も許されない段階に入っているんです」
 懇談が終わったあと、伸一に同行していた「聖教新聞」の記者が言った。
 「帰国報道のほかに、先生が長崎文化会館で長崎支部結成二十二周年記念幹部会に出席されたことも、記事にしたいと思います」
 「かまいません。事実を隠す必要はない。創価の師弟が分断され、不二の心が失われていけば、広宣流布はできない。だから私は、同志と共に戦いを開始します。私の今後の予定も発表しよう。さあ、反転攻勢だ! 戦闘開始だよ!」
 翌四月三十日付の「聖教新聞」一面には、伸一の帰国や記者会見の模様、記念幹部会への出席の報道とともに、「名誉会長は、長崎のあと福岡、関西、中部の会員の激励・指導に当たる予定になっている」と記されていた。
 この一文は、読者の目をくぎ付けにした。日本列島に歓喜の激震が走った。