人革速報

新人間革命での池田先生のご指導に学ぶブログです。

新人間革命 大山(46)|2017年2月25日

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十条潔は、緊張した面持ちで新会長としての抱負を語った。
 「山本第三代会長の後を受けまして、新しい制度による出発となりました。これまでに山本会長は、学会の運営は皆で行っていけるように、十分に指導してくださいました。これからも、学会の進み方に変わりはありません。誠に大任ですが、決意を新たにし、この任を全うしていきたいと考えております。
 今後は二十一世紀をめざし、五年単位の展望で前進してまいります。特に最初の五年は人材の育成に力を注いでいく所存です。そして、二度と戦争を起こさせない、社会の安定した平和勢力に、学会を育てていきたいと思っております」
 そこに、山本伸一が到着した。
 彼は、記者たちに笑顔を向け、「大変にお疲れさまです」と言って礼をし、十条にも会釈して隣に座った。
 すぐに、「現在の心境と会長勇退の理由をお聞かせください」との質問が飛んだ。
 「大きな荷物を下ろしてホッとした気持ちです。ただし、新しい会長中心の体制、これからの前進を見守るという意味では、また新しい荷物を背負ったような気持ちもいたします。ゆっくり休ませてくれないんですよ」
 彼の言葉に、どっと笑いが起こった。どことなく重たかった空気が一変し、十条の顔にも笑みが広がった。伸一は、新体制の出発を明るいものにしたかったのである。
 ユーモアは暗雲を吹き払う。
 彼は、話を続けた。
 「既に説明もあったと思いますが、会長を辞任しようと思った最大の理由は、足かけ二十年という歳月を、一人で最高責任者をしていることは長すぎると判断したことです。以前から、後進に道を譲ることで、新しい活気に満ちた創造もなされると考えてきました。
 また、疲れもたまっています。しかし、私は五十一歳であり、今ならば、まだ皆を見守りながら、応援していくことができます」
 人生は、闘争の連続であるといえよう。