山本伸一は、皆と一緒に勤行し、四国から来たメンバーの帰途の無事と、全参加者の健康と一家の繁栄を祈念しようと交流幹部会の会場に姿を現した。幾つもの懐かしい顔が、彼の目に飛び込んできた。 伸一は、何人かの同志に、次々と声をかけていった。そして、…

午後一時半、神奈川文化会館三階の大広間は花のような笑顔で埋まった。四国・神奈川の交流幹部会が開催されたのである。 神奈川を代表してあいさつに立った幹部は、深い感慨を込めて語った。 「四国の同志の皆さん！ ようこそ神奈川へおいでくださいました。…

四国のメンバーは、何グループかに分かれ、神奈川文化会館の館内や、会館の敷地内にある戸田平和記念館を見学した。同記念館は、前年の一九七九年（昭和五十四年）八月にオープンしており、通称「イギリス七番館」といわれていた、歴史ある赤レンガ造りの建…

新・人間革命 第１６巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 入魂 あらすじ 対話 あらすじ 羽ばたき あらすじ 新人間革命のあらすじ 第１６巻は全３章 入魂 あらすじ この１年は広宣流布の未来にとって、極めて重要な節目となる年であった。 いよい…

新・人間革命 第１５巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 蘇生 あらすじ 創価大学 あらすじ 開花 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第１５巻は全３章 蘇生 あらすじ 山本伸一は、1970年（昭和45年）５月の本部総会で、「公害問題」に言及。広宣流…

新・人間革命 第１４巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 智勇 あらすじ 使命 あらすじ 烈風 あらすじ 大河 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第１４巻は全４章 智勇 あらすじ 1969年（昭和44年）５月３日の本部総会の席上、山本伸一は750万世帯の…

新・人間革命 第１３巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 金の橋 あらすじ 北斗 あらすじ 光城 あらすじ 楽土 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第１３巻は全４章 金の橋 あらすじ 1968年（昭和43年）、大学会の結成など学生部の育成に力を注ぐ山…

新・人間革命 第１２巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 新緑 あらすじ 愛郷 あらすじ 天舞 あらすじ 栄光 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第１２巻は全４章 新緑 あらすじ 1967年（昭和42年）５月、会長就任７周年の本部総会を終えた山本伸一…

新・人間革命 第１１巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 暁光 あらすじ 開墾 あらすじ 常勝 あらすじ 躍進 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第１１巻は全４章 暁光 あらすじ 1966（昭和41）年３月、山本伸一は5年半ぶりに南米ブラジルを訪問。し…

新・人間革命 第１０巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 言論城 あらすじ 幸風 あらすじ 新航路 あらすじ 桂冠 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第１０巻は全４章 言論城 あらすじ 「勝利の年」と銘打たれた1965（昭和40）年。元日付から聖教新…

新・人間革命 第９巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 新時代 あらすじ 鳳雛 あらすじ 光彩 あらすじ 衆望 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第９巻は全４章 新時代 あらすじ 1964（昭和39）年４月、山本伸一は、師・戸田城聖の七回忌を一切に大…

新・人間革命 第８巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 布陣 あらすじ 宝剣 あらすじ 清流 あらすじ 激流 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第８巻は全４章 布陣 あらすじ 1963（昭和38）年５月、伸一は、翌年に迫った恩師戸田城聖の７回忌を目指…

新・人間革命 第７巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 文化の華 あらすじ 萌芽 あらすじ 早春 あらすじ 操舵 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第７巻は全４章 文化の華 あらすじ 1962（昭和37）年10月22日、アメリカのケネディ大統領は、キュー…

新・人間革命 第６巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 宝土 あらすじ 遠路 あらすじ 加速 あらすじ 波浪 あらすじ 若鷲 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第６巻は全５章 宝土 あらすじ 1962（昭和37）年１月29日、伸一は中東のイラン、イラクを…

新・人間革命 第５巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 開道 あらすじ 歓喜 あらすじ 勝利 あらすじ 獅子 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第５巻は全４章 開道 あらすじ 東西冷戦で分断された象徴の地を、必ずや平和の象徴に??ベルリンを訪問し…

新・人間革命 第４巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 春嵐 あらすじ 凱旋 あらすじ 青葉 あらすじ 立正安国 あらすじ 大光 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第４巻は全５章 春嵐 あらすじ 1961（昭和36）年２月、伸一は、東洋広布の第一歩をし…

新・人間革命 第３巻の各章ごとのあらすじ（要旨）は以下のとおり。 仏法西還 あらすじ 月氏 あらすじ 仏陀 あらすじ 平和の光 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第３巻は全４章 仏法西還 あらすじ 1961（昭和36）年「躍進の年」の１月、伸一は、九州の三総支…

山本伸一は、下船してきた壮年たちを笑顔で包み込み、肩を抱き、握手を交わし、励ましの言葉をかけていった。 「待っていたよ！ お会いできて嬉しい。さあ、出発だ！」 彼は、四国の同志の熱き求道の心が嬉しかった。その一念がある限り、広宣流布に生きる創…

一月十四日の朝を迎えた。波は穏やかで、刻一刻と昇る太陽が海原を照らしていった。 やがて、「さんふらわあ７」号から、白雪を頂いた富士が見え始めた。その堂々たる雄姿が、宗門僧らの誹謗・中傷に耐え、風雪の日々を勝ち越えてきた同志の胸に迫った。 船…

船上幹部会で、四国長の久米川誠太郎は力説した。 「今、学会を取り巻く環境は厳しいものがあります。山本先生は自由に全国を回って指導することも、難しい状況です。しかし、どんな力をもってしても、先生と私たちの絆を断ち切ることなど絶対にできない！ …

一九七九年（昭和五十四年）の十二月十六日、神奈川文化会館で行われた本部中央会議に出席した四国長の久米川誠太郎は、同会館に来ていた山本伸一と、他の方面の幹部らと共に懇談する機会があった。 「先生、お願いがあります。先生がこの神奈川文化会館にい…

四国の同志は、山本伸一の会長辞任後、月日を経るにつれて、彼の訪問を強く希望するようになっていった。もとより、それは四国だけではなかった。全国各地から伸一に寄せられる便りの多くが、来訪を求めていた。 四国では県幹部らで語り合った。 「山本先生…

新しき十年の開幕となる、この一九八〇年（昭和五十五年）、世界は激動していた。 前年、中東・イランでは、パーレビ朝が倒され、四月にはホメイニ師を最高指導者とするイラン・イスラム共和国が成立した。 また、前年十二月、ソ連は内戦が続くアフガニスタ…

創価学会創立五十周年を迎える一九八〇年（昭和五十五年）が明けた。元日付の「聖教新聞」三面には、山本伸一の近影と、新春を祝賀して彼が詠んだ二首の和歌が掲載された。 ひろびろと 三世の旅路の 元朝なれば 心も新たに 南無し歩まん 幾山河 ふたたび越え…

参加者が久しぶりに聞く、元気な山本伸一の声であった。皆、一心に耳を傾けていた。 「皆さんの美しい演技の裏には、どれほど厳しい修業があり、根性と忍耐をもって技術を磨き、挫けずに前進してきたことか。人生もまた、美しい開花の裏には苦闘がある。 今…

今回の第三回鼓笛隊総会では、壮年・婦人・男子・女子部の合唱団が一体となって交響詩「民衆」を歌い上げた。まさに多様な民衆が力を合わせ、凱歌を轟かせていったのだ。 山本伸一は、詩「民衆」に綴っている。 科学も 哲学も 芸術も 宗教も あらゆるものは …

山本伸一は、女子部には虚栄に生きるのではなく、“民衆の子”であることを誇りとして、民衆の大地に根を張り、民衆と共に、民衆のために生き抜いてほしかった。そこにこそ現実があり、そこで築いた幸せこそが、幸福の実像であるからだ。 彼は、その願いを込め…

それは、太陽のような輝きに満ちていた。 さわやかな希望の笑顔があった。清らかな生命の光彩があった。誇らかな青春の躍動があった。 鼓笛隊総会は、メンバーの練習の成果をいかんなく発揮する華麗なる祭典となった。 プロローグでは、山本伸一が作詞した鼓…

午後六時半、山本伸一は、荒川文化会館を出発し、鼓笛隊総会の会場である荒川区民会館へ向かった。 車に乗る時、同行の幹部が言った。 「ここから二百メートルほど行きますと隅田川です。川の向こうは足立区になります」 「そうか、足立か。できることなら、…

荒川文化会館に到着した山本伸一は、集っていた鼓笛隊のメンバーらと共に勤行し、鼓笛隊総会の成功、そして、鼓笛の乙女らの成長と幸せを願い、深い祈りを捧げた。 また、荒川のメンバーの代表とも懇談し、活動の模様などに耳を傾けた。話題が一九五七年（昭…