人革速報

新人間革命での池田先生のご指導に学ぶブログです。

新人間革命 雄飛(12)|2017年6月28日

二十八日の午後、宿舎の錦江飯店に戻った山本伸一のもとへ、復旦大学の蘇歩青学長が訪れた。伸一は、復旦大学へは一九七五年と七八年(昭和五十年と五十三年)に図書贈呈のために訪問しており、蘇学長とは旧知の間柄である。 蘇歩青は著名な数学者であり、こ…

新人間革命 雄飛(11)|2017年6月27日

二十六日の夕刻、山本伸一は宿舎の榕湖飯店で、桂林市画院の院長で広西芸術学院教授の李駱公と懇談した。李院長は日本留学の経験もあり、著名な書画家、篆刻家である。 書や絵画について話が弾んだが、次の言葉が、伸一の心に深く残った。 「書道というもの…

新人間革命 雄飛(10)|2017年6月26日

同行した中日友好協会の孫平化副会長の話では、「漓江煙雨」といって、煙るような雨の漓江が、いちばん美しいという。だが、桂林の景観が醸し出す詩情に浸りながらも、話題は現実の国際情勢に及んでいた。 前年末に、ソ連がアフガニスタンに侵攻したことから…

新人間革命 雄飛(9)|2017年6月24日

四月二十五日、山本伸一を団長とする訪中団一行は、北京を発ち、空路、広東省の省都・広州市を経て、桂林市を訪ねた。 翌日、車で楊堤へ出て、煙雨のなか、徒歩で漓江のほとりの船着き場に向かった。霧雨の竹林を抜けると、河原にいた子どもたちが近寄ってき…

新人間革命 雄飛(7)|2017年6月22日

絵画「チョモランマ峰」の寄贈にあたり、常書鴻・李承仙夫妻から、この絵を制作した文革直後の時代は、絵の具の品質が良くないので、末永く絵を残すために、描き直したいとの話があった。 山本伸一は、その心遣いに恐縮した。 新たに制作された同じ主題、同…

新人間革命 雄飛(6)|2017年6月21日

一九九〇年(平成二年)十一月、静岡県にあった富士美術館で、常書鴻の絵画展が開催された。 そのなかに、ひときわ目を引く作品があった。特別出品されていた「チョモランマ峰(科学技術の最高峰の同志に捧ぐ)」と題する、縦三メートル余、横五メートル余の…

新人間革命 雄飛(5)|2017年6月20日

常書鴻が敦煌の莫高窟で暮らし始めたころ、そこは、まさに“陸の孤島”であった。 周囲は砂漠であり、生活用品を手に入れるには約二十五キロも離れた町まで行かねばならなかった。もちろん、自家用車などない。 土レンガで作った台にムシロを敷いて麦藁を置き…

新人間革命 雄飛(4)|2017年6月19日

北京大学では、講演に引き続き、四川大学への図書贈呈式が行われた。当初、山本伸一は、四川省の成都にある四川大学を訪問する予定であったが、どうしても日程の都合がつかず、ここでの贈呈式となったのである。 四川大学の杜文科副学長に伸一から、図書一千…

新人間革命 雄飛(8)|2017年6月23日

山本伸一との語らいで華国鋒主席は、十億を超える中国人民の衣食住の確保、とりわけ食糧問題が深刻な課題であるとし、まず国民経済の基礎になる農業の確立に力を注ぎたいと述べた。農民の生活が向上していけば、市場の購買力は高まり、それが工業発展の力に…

新人間革命 第18巻のあらすじ(各章要旨)

新・人間革命 第18巻の各章ごとのあらすじ(要旨)は以下のとおり。 師子吼 あらすじ 師恩 あらすじ 前進 あらすじ 飛躍 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第18巻は全4章 師子吼 あらすじ 1973年(昭和48年)7月、山本伸一は、映画「人間革命」の完成試写…

新人間革命 雄飛(3)|2017年6月17日

山本伸一たち訪中団一行は、二十二日の午後、北京大学を訪問し、季羨林副学長らの歓迎を受けた。同大学の臨湖軒で、創価大学との学術交流に関する議定書の調印が行われ、その際、北京大学から、伸一に名誉教授の称号授与の決定が伝えられた。 伸一は、謝意を…

新人間革命 雄飛(2)|2017年6月16日

二十二日午前、山本伸一たち訪中団は、北京市の中国歴史博物館で開催中の「周恩来総理展」を参観したあと、故・周総理の夫人で、全国人民代表大会常務委員会の副委員長等の要職を務める鄧穎超の招きを受け、中南海の自宅「西花庁」を訪れた。 彼女の案内で、…

新人間革命 雄飛(1)|2017年6月15日

北京は、うららかな陽光に包まれていた。空港の周囲に広がる、のどかな田園風景が、「北京の春」を感じさせた。 一九八〇年(昭和五十五年)四月二十一日の午後二時半(現地時間)、山本伸一たち第五次訪中団一行は、北京の空港に到着した。 この訪中は、伸…

新人間革命 雌伏(68)|2017年6月14日

戸田城聖の二十三回忌にあたる一九八〇年(昭和五十五年)四月二日付の「聖教新聞」に、山本伸一の「恩師の二十三回忌に思う」と題する一文が掲載された。 そのなかで、彼は呼びかけた。 「広宣流布の前進を亡失したならば、宗開両祖の御精神に背くことにな…

新人間革命 雌伏(67)|2017年6月13日

山本伸一は、十条潔をはじめ首脳幹部たちが、宗門僧らの学会攻撃など、諸問題の対応に神経をすり減らし、苦悩していることをよく知っていた。 しかし、学会の運営については、執行部に任せ、見守っていくしかなかった。 会長を辞任してから伸一は、毎月の本…

新人間革命 雌伏(66)|2017年6月10日

新人間革命 雌伏(66)|2017年6月10日 山本伸一の会長辞任から、間もなく一年がたとうとしていた。 しかし、学会を取り巻く状況は、いまだ騒然としていた。宗門として、学会に対する誹謗や中傷はやめ、檀徒づくりをしないと約束したにもかかわらず、若手…

新人間革命 雌伏(65)|2017年6月9日

「それでは、一緒に勤行しましょう」 山本伸一は、「勇将グループ」のメンバーらと共に勤行し、皆の健康と一家の繁栄、目黒創価学会の勝利を真剣に祈念した。 その後、婦人部、女子部の幹部らと懇談した。区の婦人部長からは、特に伸一の会長辞任後、激しさ…

新人間革命 雌伏(64)|2017年6月8日

山本伸一は、勇将グループのメンバーと、目黒平和会館の階段で記念のカメラに納まった。そして、目黒長の佐々井幸啓に言った。 「活動は明るく、はつらつと進めていくんだよ。みんな、ありのままでいいんです。 リーダーは、画一的に物事を進めるのではなく…

新人間革命 雌伏(63)|2017年6月7日

山本伸一は、奄美のメンバーを見送ると、東京・世田谷区の功労の同志夫妻を訪ねた。一家は、目黒区内で焼き鳥店を営んでおり、開店前のひととき、その店舗で懇談した。 彼は、集っていた家族の近況に耳を傾けながら、人生には幾つもの苦難の坂があり、信心根…

新人間革命 雌伏(62)|2017年6月6日

セミナー会場は、奄美の女子部の登場に沸き返った。南海の島々で、喜々として信心に励む若きメンバーを目の当たりにして、参加者は新鮮な驚きを覚えたようだ。彼女たちが奄美を詠った「島育ち」「月の白浜」の歌を披露すると、大拍手が起こった。 山本伸一は…

新人間革命 雌伏(61)|2017年6月5日

奄美の女子部の代表が、「先生! これは私たちの気持ちです!」と言って、沖永良部島のフリージアと、奄美大島の緋寒桜を、山本伸一に差し出した。 「ありがとう! 一足早い春の到来だね。百花繚乱の春は幸せの象徴だ。みんなも、必ず幸せになるんだよ。私は…

新人間革命 雌伏(60)|2017年6月3日

山本伸一は、奄美の女子部員たちを、立川文化会館の玄関ロビーで迎えた。 「やぁ、よく来たね! 遠いところ、ご苦労様! ゆっくりしていってください。 お父さん、お母さんは元気かな。最も辛い、苦しい思いをしながら、広宣流布の道を開いてこられた奄美の…

新人間革命 第17巻のあらすじ(各章要旨)

新・人間革命 第17巻の各章ごとのあらすじ(要旨)は以下のとおり。 本陣 あらすじ 希望 あらすじ 民衆城 あらすじ 緑野 あらすじ 新人間革命のあらすじ 第17巻は全4章 本陣 あらすじ 「広布第2章」に入って初めての新年である1973年(昭和48年)「教学…

新人間革命 雌伏(59)|2017年6月2日

奄美の女子部員が、フェリーで奄美大島の名瀬港を発ったのは、二月十五日の午後九時過ぎであった。 星々が、微笑むように夜空に輝いていた。 フェリーに十一時間揺られ、十六日朝、鹿児島に着き、空路、東京へ向かった。 羽田空港に到着したのは、午後一時過…

新人間革命 雌伏(58)|2017年6月1日

長田麗は、宗門による学会批判が激しさを増した時、地元寺院の住職の妻から呼び出された。学会の悪口を聞かされ、宗門につくのか、学会につくのかを迫られた。 彼女は、毅然として言った。 「私たちに信心を教えてくれたのは学会です。私たちを励ましてくれ…

新人間革命 雌伏(57)|2017年5月31日

かつて奄美大島の一部の地域で、学会員への激しい迫害事件があった。村の有力者らが御本尊を没収したり、学会員の働き場所を奪ったりするなどの仕打ちが続いた。生活必需品も売ってもらえなかった。車を連ねて学会排斥のデモが行われたこともあった。 奄美の…

新人間革命 雌伏(56)|2017年5月30日

四国の同志が、「さんふらわあ7」号で神奈川文化会館を訪れた約一カ月後の二月十七日のことであった。鹿児島県の奄美大島地域本部(後の奄美光城県)の女子部員八十六人が、山本伸一がいた東京・立川文化会館を訪問したのである。 ――一年前の二月一日、伸一…

新人間革命 雌伏(55)|2017年5月29日

ボーッと、「さんふらわあ7」号の出航を告げる汽笛が夜の海に響いた。 四国の同志は、甲板に出ていた。船は、静かに離岸し始めた。 見送りに埠頭に集った神奈川の同志が、「さようなら!」「また来てください!」と口々に叫びながら手を振っている。岸辺に…

新人間革命 雌伏(54)|2017年5月27日

山本伸一は、「熱原の三烈士」「さくら」と、ピアノを弾いていった。“凜々しき勇気の信仰者に育て!”“幸の桜花咲く人生の春を!”との祈りを込めた演奏であった。 彼は思った。 “今、この時に、求道の炎を燃やし、波浪を越えて、横浜の地までやって来た四国の…

新人間革命 雌伏(53)|2017年5月26日

山本伸一は参加者に近況などを尋ね、ちょっとした話題を契機に、信心やリーダーの在り方に触れ、指導、激励していった。皆、その自在な語らいを望んでいたといってよい。 話は、同志に接する幹部の姿勢に及んだ。 「幹部の皆さんは、会員の方々の意思をどこ…